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帯状疱疹はワクチンで予防できる

2023/12/24

帯状疱疹はワクチンで予防できる

 

帯状疱疹

 

帯状疱疹は、水ぼうそうのウイルスが原因で発症する病気です。水ぼうそうを経験した人の90%以上が、体内にこのウイルスを潜伏させています。加齢やストレス、病気などの影響で免疫力が低下すると、このウイルスが活性化して帯状疱疹を発症します。特に50歳代から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症するといわれています。

症状

 

体の片側の一部にピリピリとした痛みがあらわれ、その部分に赤い発疹が出てきます。

帯状疱疹の初期症状は、痛みやかゆみ、しびれなどの感覚異常です。その後、赤い発疹が帯状に現れ、水ぶくれになります。水ぶくれは数日でかさぶたになり、やがて治癒します。

痛みが始まってから水ぶくれが治るまでの間は、通常約3週間~1ヵ月です。

神経の損傷がひどいと、皮膚の症状が治った後も、痛みが続くことがあります。

 

発症部位

 

帯状疱疹の発症部位は、ウイルスが活性化した神経の分布域に沿って現れます。

症状の多くは上半身にあらわれますが、顔や目、頭などにあらわれることもあります。

 

合併症

 

帯状疱疹は頭部から顔面に症状がでることもあり、目や耳の神経が障害されると、めまいや耳鳴りといった合併症がみられることがあります。

重症化すると、視力低下や失明、顔面神経など、重い後遺症が残る危険があります。

帯状疱疹の合併症としては、帯状疱疹後神経痛(PHN)や顔面神経麻痺などがあります。

 

帯状疱疹後神経痛(PHN)

 

帯状疱疹の症状が治った後も、痛みが続くことがあります。これを帯状疱疹後神経痛(PHN)といいます。PHNの痛みは、鋭い痛みや焼けるような痛み、電気が走るような痛みなど、さまざまな症状があります。

 

顔面神経麻痺

 

帯状疱疹が顔面に現れると、顔面神経麻痺を引き起こすことがあります。顔面神経麻痺は、顔の片側が動かなくなったり、口が歪んだり、目が閉じにくくなったりする症状です。

 

予防

 

帯状疱疹にかからないために日頃から体調管理を心がけ、免疫力が低下しないようにすることが大切です。

 

ワクチン

 

帯状疱疹の予防には、50歳以上の人への予防接種が有効です。

 

帯状疱疹ワクチンには、2016年に発売された「乾燥弱毒生水痘ワクチン(ビケン)」と、2020年に発売された「シングリックス」の2種類があります。

 

乾燥弱毒生水痘ワクチン(ビケン)

 

弱毒生水痘ワクチンは、水ぼうそうのウイルスを弱毒化したワクチンです。1回の接種で、帯状疱疹の発症を約50%程度抑制できるとされています。

シングリックス

 

シングリックスは、水ぼうそうのウイルスの表面にある糖タンパク質を合成したワクチンです。2回の接種で、帯状疱疹の発症を約90%程度抑制できるとされています。

 

両ワクチンの違い

 

両ワクチンの違いは、以下のとおりです。

 

項目

乾燥弱毒生水痘ワクチン(ビケン)

シングリックス

ワクチンの種類

生ワクチン

不活化ワクチン

接種回数

1回 皮下注射

2回 2か月以上あけて(6か月以内に)2回 筋肉内接種

*1か月まで短縮することが可能

効果

帯状疱疹の発症を約50%程度抑制

帯状疱疹の発症を約90%程度抑制

副反応

接種部位の痛み、発赤、腫れ、発熱など

接種部位の痛み、発赤、腫れ、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛など

費用

公費助成対象の地域あり

公費助成対象の地域あり

 

なお、どちらのワクチンも、50歳以上の人が対象でしたが、2023年6月に適応が拡大になり、帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の人も接種対象となりました。以下のような状態の人を指します。

 

・疾病または治療により免疫不全である人、免疫機能が低下した人または免疫機能が低下する可能性がある人

・上記以外で、医師が本剤の接種を必要と認めた人

 

また、このような状態にあり、ワクチン接種スケジュールを短縮することによりワクチンの効果が得られる場合には、1回目の接種から2回目の接種まで間隔を1か月まで短縮することができます。

 

妊娠をしている方は受けられません。

 

どちらのワクチン接種を行うがゆたかクリニックで医師と相談も可能です。

お気軽に診察室でお声かけください。

 

治療

 

帯状疱疹の治療には、抗ウイルス薬や鎮痛薬などを用います。抗ウイルス薬は、発症早期に使用することで、症状の軽減や合併症の予防に効果的です。

 

帯状疱疹はうつるの?

 

帯状疱疹は体内に潜伏しているウイルスが原因で発症するため、他の人から帯状疱疹としてうつることはありません

ただし、まだ水ぼうそうにかかったことがない人は、ウイルスの感染で水ぼうそうを発症することがあります。

 

まとめ

 

帯状疱疹は、水ぼうそうのウイルスが原因で発症する病気です。加齢やストレス、病気などの影響で免疫力が低下すると発症しやすくなります。帯状疱疹を予防するためには、規則正しい生活を心がけ、50歳以上の人は予防接種を受けることも有効です。