2022/06/27
脂質異常症ってどんな病気
脂質異常症チェック(心あたりのある項目が多いほどリスクは高まります)
◻︎家族に脂質異常症や動脈硬化症の人がいる
◻︎肥満傾向である
◻︎高血圧または血圧が高めである
◻︎日常的にあまり歩かない
◻︎お酒をよく飲む
◻︎糖尿病である、あるいは血糖値が高めだと指摘された
◻︎痛風がある
◻︎肉や脂っこい食べ物が好き
◻︎甘い物や乳脂肪製品(生クリームや洋菓子)が好き
◻︎女性で閉経している
みなさんどうだったでしょうか?全く当てはまらないという方のほうが少ないのではないでしょうか。半分以上あてはまった方は是非最後まで読んでいただきたいと思います。
脂質異常症とはどんな病気?
採血検査の項目の中に
LDLコレステロール
HDLコレステロール
中性脂肪(TG)
という項目が入っています。
脂質異常症にも3パターンあり、
- LDLコレステロールが高い
- HDLコレステロールが高い
- 中性脂肪が多い
と脂質異常症と診断します。
実際の脂質異常症と診断される数値はこのようになります。(空腹時採血)
LDLコレステロール 140mg/dl以上 高コレステロール血症
HDLコレステロール 40mg/dl未満 低HDLコレステロール血症
トリグリセライド 150mg/dl以上 高トリグリセライド血症
Non-HDLコレステロール 170mg/dl以上 高non-HDLコレステロール血症
原因は遺伝子の異常や他の病気、薬も挙げられますが、最も影響が多いのは生活習慣病の乱れになります。
脂質異常症と診断されたらどうなるの?
脂質異常症を放っておくと、自覚症状なくこのような体のトラブルを引き起こしてしまいます。
動脈の内側にコレステロルが蓄積され、蓄積されたコレステロールがプラークと呼ばれる血管内にドロドロとしたゴミのような固まりを形成します。すると血管が細くなり、血管壁はもろくなりプラークが破綻し血管が閉塞されます。
中性脂肪が多いと、血管にコレステロールが蓄積しやすくなり、空腹時に1000mg/dlを超えると急性膵炎になる危険もあります。
中性脂肪が高い場合やHDLコレステロール値が低い場合、内臓脂肪型肥満や高血圧、糖尿病などを併発するメタボリックシンドロームに陥っている可能性があります。メタボリックシンドロームも心疾患や脳卒中を引き起こすため、脂質異常症がある場合は、内臓肥満の有無や血圧、血糖の数値にも注意が必要です。
このようなトラブルが重なると、動脈硬化の進行を促し、命にかかわる病気のリスクも高まるため早期の対策が必要です。
脂質異常症の治療法
脂質異常症の治療法は主に
○禁煙
○食事療法
○適正体重の維持・改善
○運動療法
がります。
1ヶ月この4つの気をつけてもらいながら生活習慣の改善に努めていただきます。
また採血をして改善されていないか確認をするのですが、
改善されない場合は動脈硬化のリスクが高まらないようにコレステロール値や中性脂肪を下げる薬を処方します。
脂質異常症を防ぐ食行動
脂質異常症になる方の8割以上が過食、糖質の摂りすぎ、高脂肪食、運動不足が原因です。
脂質異常症を改善または、ならないようにこちらの10項目を守られる事をお勧めします。
- 「早食い、ながら食い、まとめ食い」を避ける
- 1日3食、規則的に食べる
- よくかんで食べる
- 腹八分目を守る
- 食物繊維の多い食材を先に食べる
- 周りに食べ物を置かず、食環境の適正量を守る
- 好きな物でも一人前に。食べる時は適正量を守る
- 寝る前の2時間は食べない
- 食器を小ぶりにする
- 外食は丼物より定食を選択する
食物繊維には腸内で中性脂肪やコレステロール、糖質の吸収を妨げ、胆汁酸を吸着して体外に排出する働きがありますので積極的に摂るようにしてください。
食物繊維の多い食品
玄米・いも類・きのこ類・野菜・海藻・こんにゃく・果物
コレステロールを上げる食品、下げる食品
コレステロールが多い食品を避けるのも大切ですが、コレステロール値を上げる食品の摂りすぎにも注意が必要です。
コレステロールを多く含む食品
魚卵・卵黄・エビ・レバー・イカ・子持ちししゃも
コレステロール値を上げる食品
脂身の多い肉類・ポテトチップス・カップラーメン・チョコレート・バター、チーズ
コレステロール値を下げる食品
大豆食品・野菜・植物油・海藻類
脂質異常症の予防・改善に有効な運動
週3回、1日30分を目標に運動を頑張ってみてください。汗ばむ程度で大丈夫です。
運動には3つの効果が期待できます。
- 摂りすぎたエネルギーを消費して脂肪の蓄積を防ぐ
- 血行を促し、血管を広げて動脈硬化を防ぐ
- 脂肪の流れを即す酵素(リパーゼ)を活性化し、LDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やす
運動の例
ウォーキング、水中ウォーキング、サイクリング、息を吐きながらのスクワット
脂質異常症をここまで読んでいただくと、生活習慣がいかに関わっているか分かっていただけたのではないでしょうか。
少しの気づきが、命に関わる病気を防ぐことになります。
脂質異常症の怖い所は自覚症状がないところです。
できたら薬は飲みたくないですし、飲む薬を減らすことができたら嬉しいですよね。
将来の自分の為に今できる事をやっていきましょう。