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長引く咳の原因と対処法

2023/10/13

長引く咳の原因と対処法

 

 

COVID-19感染症により、咳(医学用語では咳嗽と言います)の症状で外来する患者さんが多くおられます。

 

咳が出始めてから受診するまでの期間で急性咳嗽(発症から8週間)、遷延性咳嗽(発症から3-8週間)、慢性咳嗽(発症から8週間以上)に分類されます。

 

急性咳嗽のほとんどは急性の気道感染症(いわゆる風邪)がほとんどで、遷延性咳嗽・慢性咳嗽では咳喘息やアトピー咳、逆流性食道炎、薬の副作用などがあります。

 

初診では診断ができないケースも多く、薬を処方しながらその効果をみて診断していくこともあります。

 

急性咳嗽(発症から8週間)

 

急性咳嗽であればまず風邪を疑います。咳以外の、のどの痛みや鼻水といった症状が同時にある場合は特に疑いが強まり、感冒薬や鼻炎の薬を飲んでもらって様子をみてもらうことが多いです。しかし、高齢者や基礎疾患のある患者さんでは肺炎に至るリスクが高いため、診察で疑わしい場合は胸部X線検査を行うこともあります。

発熱症状やCOVID-19を疑う症状や接触があれば、抗原検査を追加することもあります。

 

 

遷延性咳嗽(発症から3-8週)

 

遷延性咳嗽で多いのが、”感染症のあとの長引く咳”です。風邪やCOVID-19に罹患した後に起きることが多く、症状のピークを過ぎていれば咳止めで症状の緩和を図ります。しかし、肺炎や結核、肺癌なども可能性があるため、胸部X線検査で異常がないか、まずは検査を行います。

胸部X線検査で異常がない場合でも、抗菌薬(抗生物質)が必要になるマイコプラズマ感染症や百日咳などを疑う場合は検査を追加し、抗菌薬による治療を開始します。

 

 

③慢性咳嗽(発症から8週間以上)

 

慢性咳嗽では先程と同様、胸部X線検査で異常がないかを確認します。異常があればその診断のための検査を追加します。胸部X線検査で異常がない場合、咳ぜんそくやアトピー咳を疑い治療に入ります。どちらも似たような咳が特徴で、見分けが難しい疾患です。治療は少し違いますが、アレルギーに対する治療や気管を広げる吸入を使用すると改善することが多いです。

また、肺がんや間質性肺炎、心不全、胃食道逆流症、薬の副作用なども慢性咳嗽の原因として考えられます。これらの疾患は重篤な場合もあるため、早期に診断・治療することが重要です。

咳が3週間以上続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

 

 

まとめ

長引く咳には、風邪などの感染症から、肺がんなどの重篤な疾患まで、さまざまな原因が考えられます。

 

咳が3週間以上続く場合は、早めに医療機関を受診して、原因を特定し、適切な治療を受けることが大切です。