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親指の付け根が痛い 母指CM関節症

2022/11/28

親指の付け根が痛い 母指CM関節症

 

 

親指の付け根が痛い。 それは母指CM関節症かもしれません。

 

 

〈母指CM関節症ってどんな病気?〉

 

母指CM関節症は親指(母指)の付け根にある関節の軟骨のすり減りによって生じる疾患で、40歳代以降の方に発症する変形性関節症の一つです。

親指の付け根の関節をCarpometacarpal関節(CM関節)とも呼ぶことから、母指CM関節症と呼んでいます。

 

 

〈症状〉

 

主な症状は親指の付け根の痛みです。何かをつまむ、握るなどの際に痛みが生じます。

 

・瓶やペットボトルのふたの開閉

・ドアノブを回す

・爪切り、洗濯ばさみを使う

・ボタンをかける

・タオルを絞る

・字を書く

 

などの日常生活の動きの際に痛みが生じます。

 

痛み以外の症状としては、親指付け根の腫れ、物をつまむ時の力の弱まり、動かしにくさなどがあります。また、親指の付け根に骨の出っ張りが生じることもよくあり、進行すると親指全体に変形が生じます。

 

 

〈原因〉

 

ホルモンバランスの変化などに伴う靭帯の緩み、繰り返しの負担などが原因となると考えられています。親指に受けた怪我も原因となりえます。正常な関節では軟骨が骨を覆っており、クッションの役割や滑走性の向上の役割を担っています。母指CM関節症では軟骨がすり減っており、骨同士がぶつかり、関節にダメージを与える状態になっています。軟骨のすり減りと同時に関節の辺縁に骨の新たな増殖(骨棘)が生じます。

  

〈リスク因子〉

これらの項目が当てはまる人は母指CM関節症にかかりやすい人です。

 

□女性

□40歳以上

□遺伝(靭帯のゆるみなど)

□過去の外傷(親指周囲の骨折など)

□親指に強い負担のかかるスポーツや労働

 

 

〈診断〉

 

まず親指の付け根に変形(腫れや骨の盛り上がり)があるか観察し、親指に多少の力を加えながら動かしてもらうことでゴリゴリといった音や痛みが生じたりするかを調べます。その後レントゲン検査によって、骨棘、軟骨の菲薄化など確認することで診断します。

 

 

〈治療〉

 

まずはサポーター装着などの手術ではない治療を行うことが一般的です。推奨した期間しっかりサポーター装着した多くの方は、症状が改善します。関節に炎症があり、腫れている場合は、注射治療を併用することがあります。効果が長続きせず、生活に支障が大きい場合は、手術も検討します。

 

サポーターを装着することで、関節を休ませること、正しいポジションが保てることにより痛みを軽減させ、変形の進行を予防する働きがあります。

日中や、睡眠時に関節に正しいポジションにしておくことが重要になりますので、夜寝るときも含めて2〜3ヶ月はしっかり装着します。

入浴時はサポーターを外し、親指を根本から広げるように、親指と人さし指の間を押し込むようにマッサージするのも効果的です。