2022/05/10
慢性腰痛症とは?
今回のテーマは「慢性腰痛症」です。
腰痛には「急性腰痛」と「慢性腰痛」とあるのはご存知でしょうか?
急性腰痛とは、急に身体をひねったり、物を持ち上げようとした時に怒る、ぎっくり腰などが代表的で、他にも椎間板ヘルニアや腰椎の圧迫骨折などによって、急に激しい腰痛が起こることがあります。
急性腰痛の痛みはその周辺の組織が傷ついて起こりますので、ほとんどの場合は2日から1週間程度で痛みは治まります。
慢性腰痛は急性腰痛で痛めた組織の炎症が治まっても痛みだけが残ってしまい慢性腰痛になる場合もありますし、
朝起きると腰が痛い、掃除中にかがんだ姿勢をすると腰が痛みだす、
長時間の運転やデスクワークなど同じ姿勢を続けると腰に痛みを感じる、このような経験が3ヶ月以上続く場合も慢性腰痛症かもしれません。
日本では体のどこかに痛みがある人が約2300万人いるといわれており、そのうちの約64%が慢性腰痛であると推定されています。
ではなぜ痛みが長引くのでしょうか?
その原因は「筋肉」「神経」「脳」が関わっているのです。
腰のなのに「脳も?」って思われる方もいらっしゃるかもしれません。
とても不思議ですよね。
例えば、腰痛があるために長時間体を動かさない腰以外の負担のかかる姿勢をしていると、筋肉が硬直してかえって腰痛を長引かせることになります。
また、痛みの信号を受ける中枢神経が興奮したままの状態になると、病気やケガが治った後も痛みの信号が脳へ送り続けたり、痛み以外の刺激を誤って痛みの信号として脳へ伝えてしまって、慢性的な痛みを引き起こすこともあります。
他にもストレスや不安、抑うつなどの心理的な要因が、痛みを長引かせる原因になっている事もあります。
このように慢性腰痛には複数の要因が関連している事が多いため、原因を整理したうえで適切な治療法を選択していく事が重要になります。
慢性腰痛の治療は、急性腰痛の治療薬では効果が期待できません。
そのため慢性腰痛の治療薬は脳や神経、心理的な要因による痛みにたいして効果のある「抗うつ薬」や「抗てんかん薬」を用いる事もあります。
脊椎の近くや末しょう神経に局所麻酔を注射する「神経ブロック」療法を行うと、脳に伝わる痛みの信号を一時遮断することができます。同時にこわばっていた筋肉の緊張がほぐれ、血流が改善することで痛みが改善することもあります。
最後に日常の生活で気をつけたい事をかいて終わりにしたいと思います。
慢性腰痛で1番気をつけていただい事は正しい姿勢を心がけてください。
猫背になっていないか、逆に背中が反りすぎたりしていないか気をつけます。
同じ姿勢が長い時間続く時はストレッチをするのも大切です
次に大切な事は痛みにとらわれず極力普段どおりの生活を送ってください。
「痛いのだから無理。」という気持ちは大変よくわかります。
最近では、急性腰痛が起こった時に、痛いからといって長く腰を動かさないほうが、回復が悪いことがわかってきました。
少し痛みが治ればできる限り普段通りの生活を送っていただくことは腰痛の慢性化を防ぐのに有効です。
痛みが続くと気持ちも落ち込み、行動範囲も狭くなり、交友関係も少なくなっていく傾向にあります。
腰痛に悩まされている方、1人で頑張る勇気のない方。一度ゆたかクリニックを受診ください。
慢性腰痛とうまくつき合いながら前向きに日常生活を送っていただくお手伝いをゆたかクリニックはさせていただきます。