2022/08/22
ひざに水がたまるってどういうこと?
今回はひざの水についてお話します。
よく診察室でも「ひざに水がたまっていますね」「先生ひざの水抜いてください」という会話が出てきます。
いったいひざの水って何なの?って疑問を持たれます。
答えを始めにお伝えしますと、
ひざの水の正体はひざの「関節液」の事を言います。
関節液は関節を滑らかに動かす潤滑油役割と、軟骨に栄養を与える役割をする物質です。
まず水(関節液)が溜まっているとひざは腫れぼったい感じになり、指で触っても「ぶよぶよ」とした感触があります。
ひざに水(関節液)がたまるってどういうことなのか説明しますと
関節液はひざの中で分泌と吸収を繰り返していますが、なんらかの原因で関節が炎症を起こすとそれを抑えようとして、関節液が多量に分泌されるようになります。
変形膝関節症が原因で軟骨どうしがぶつかると、そのかけらが関節液に混じった時にも異物と察知して洗い流すための関節液を分泌します。
こうして、分泌と吸収のバランスが崩れて関節液が必要以上に溜まってしまった状態のことを水がたまると言っています。
ひざに水がたまると、関節内の圧力が高まって関節が不安定になります。
また、関節液に圧迫されて血流が悪くなり、ひざの曲げ伸ばしをする度に痛みがでるようになってしまします。
通常の関節液は1〜3mlくらいですが、みずがたまっている方は20〜30mlくらいまで増加しています。
よく「水をぬくとクセになる」という言葉がありますが、
それは間違いで正確な事をお伝えしますと、
「ひざの炎症が治まっていない為に抜いてもみずがたまっている」ということになります。
では、ひざにみずがたまった時はどうしたらいいのかをお伝えしますと、
「水をしっかり剥いて炎症を鎮める治療を行う」
ことが大切です。
ひざの痛みは健康寿命に直結します。
ロコモティブシンドローム(運動器症候群)にならない為にも正しい治療が必要です。